急な吐き気の原因は?よくある病気とは|どこでもドクター

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みなさん、急に吐き気を催した経験はないでしょうか?

外出中や仕事中などの場合、しばらく様子を見てよいのか、それともすぐに病院に行くべきか、判断に迷うことがあると思います。

ここでは内科外来でよく遭遇する病気を中心に見ていきましょう。緊急で処置を行わなければ命に関わる病気も含まれています。

感染性胃腸炎

感染性胃腸炎は、ウイルスや細菌が胃や腸に感染することにより引き起こされる病気です。

ウイルス性胃腸炎は11月から3月にかけて発生するので、冬季嘔吐下痢症とも呼ばれています。流行することが多いので注意が必要です。成人で最も多いのはノロウイルスによるものです。

一方、細菌性胃腸炎は基本的には食事で起こる食中毒です。夏場に多く、同じ食事を食べた人が集団で同時に発生します。

ウイルス性胃腸炎と細菌性胃腸炎について詳しく見ていきましょう。

ウイルス性胃腸炎(冬季嘔吐下痢症)

突然の嘔吐や下痢で始まり、毎年11月から3月の冬場に多く発生します。嘔吐と下痢の回数が非常に多いのが特徴で、すぐに脱水状態に陥ります。

1.原因

原因になるのは主にノロウイルスとロタウイルスです。

①ノロウイルス

ノロウイルスの流行時期は11月から2月あたりで、潜伏期間は2日前後です。幼児から成人まで幅広く感染します。

カキなどの二枚貝を食べて感染するほかに、感染した患者の便や嘔吐物、そしてこの便や嘔吐物が乾燥して舞い上がった粉塵からも感染を起こします。非常に感染力の強いウイルスです。

ノロウイルスには遺伝子構造の違う多くの種類があります。十二指腸から小腸上部でウイルスが増殖するのが特徴です。

予防ワクチンはありません。

②ロタウイルス

ロタウイルスの流行時期は1月から3月あたりで、潜伏期間は2日前後です。乳幼児の感染が主なので注意が必要です。

感染経路は接触感染、特に糞口感染です。

乳幼児がロタウイルスに感染すると重篤化する危険性があります。地域差はありますが、毎年世界で数十万人が亡くなっています。

近年はロタウイルスワクチンが普及してきています。

2.症状

ノロウイルス感染症とロタウイルス感染症では若干症状の違いがあります。便が白ければロタウイルスの可能性が高くなります。

突然の嘔吐や下痢で始まり、しばしば発熱を伴い、脱水症状を引き起こします。下痢は少し遅れて出ることが多く、回数が増えるにつれ徐々に水様便になります。

3.治療

ノロウイルスとロタウイルスには特効薬がないため、基本的には対症療法を行います。食事制限による胃腸への負担の軽減と、失われた水分の補給が中心になります。

なお、下痢が激しいからといって下痢止めを使用するのは推奨できません。なぜなら、体は自然な防御反応としてウイルスを排出しようと頑張っているので、それを止めると逆に治癒が遅れてしまいます。

嘔吐と下痢が続いて水分が摂取できない場合は、内科を受診してください。

4.予防

①ノロウイルス

ノロウイルスにはワクチンはありません。手洗いが最も大切です。

カキなどの二枚貝を調理する際は、しっかりと中心部まで加熱しましょう。

ノロウイルスにはアルコールが効きません。使った調理器具や汚染された物は、次亜塩素酸ナトリウムか熱湯(85℃以上で1分以上)で消毒してください。

②ロタウイルス

ロタウイルスワクチンは任意接種です。注射ではなく経口投与、つまり口から接種します。ちなみに生ワクチンです。

単価ワクチンでも5価ワクチンでも大きな違いはありません。かかりつけの小児科で受けましょう。

細菌性胃腸炎

細菌性胃腸炎は基本的には食事で起こる食中毒です。夏場に多く、食品が十分に加熱されていない場合や、料理人の手や調理器具が汚染されていた場合などに起こります。

細菌が腸粘膜に侵入し増殖すると、細菌の出す毒素により粘膜が障害を受けて発症します。同じ食事をした集団が同時に感染することがあるので注意が必要です。

細菌性胃腸炎の原因になるのは、サルモネラ、カンピロバクター、病原性大腸菌、黄色ブドウ球菌、腸炎ビブリオなどです。

それぞれについて詳しく見ていきましょう。

1.サルモネラ

サルモネラは腸内細菌科に属すグラム陰性嫌気性杆菌です。主に人間、動物の消化管にいる腸内細菌ですが、なかには人間に対して病原性を持つものがあります。

人間に対して病原性を持つサルモネラは大きく二つに分類でき、一つは感染症法で3類に指定されている腸チフス・パラチフス、もう一つは食中毒を引き起こすサルモネラです。一般にサルモネラというときは後者の食中毒を起こす細菌のことを指します。鶏肉や卵で感染が起こりやすいといわれています。

①症状

8~48時間の潜伏期間を経て発症します。

嘔気や嘔吐で始まり、その後腹痛、下痢を引き起こします。下痢は非常に頻回で、脱水を起こしやすいので注意が必要です。ときに血便や38℃以上の高熱を呈すこともあります。

また高齢者では重篤になる場合があります。

②治療

基本的には対症療法を行います。

抗生剤は軽症例ではあまり使用しませんが、重症例では使用します。サルモネラに有効な抗生剤はアンピシリン、ホスホマイシン、ニューキノロン系です。

下痢止めは使用しません。下痢は体の防御反応の一つで毒素を体外へ排出する手段なので、下痢止めを使用すると逆に症状が長引いてしまいます。

③予防

次のことに気をつけてください。

生肉は他の食品に触れないようにしましょう。
生肉に触った後は必ず手を洗いましょう。
肉は加熱調理して食べましょう。
卵は冷蔵庫で保存し、早めに食べましょう。

2.カンピロバクター

カンピロバクターはもともと動物の腸炎や流産を引き起こす細菌として有名でした。カンピロバクターにはたくさんの種類があり、実はほとんどの動物が保菌しています。

人間の下痢から検出されるのはカンピロバクター・ジェジュニがほとんどです。鶏肉、生レバーなどで感染が起こりやすいといわれています。

①症状

2~5日の潜伏期間を経て発症します。潜伏期間が一般の食中毒に比べて長いのが特徴です。そのため食べたものとの因果関係がはっきりしないことがあります。

突然の腹痛、下痢で発症し、発熱と悪寒、倦怠感を伴います。下痢は水様便が最も多く、血便を呈することもあります。

また、まれですが感染から数週間後にギランバレー症候群を発症することがあるので注意が必要です。

②治療

基本的には自然治癒するので対症療法を行います。

重篤な場合や敗血症になった場合にはマクロライド系抗生剤を使用します。なお、セフェム系抗生剤には自然耐性があるので注意が必要です。ニューキノロン系に対する耐性化も問題となっています。

下痢止めは使用しません。下痢は体の防御反応の一つで毒素を体外へ排出する手段なので、下痢止めを使用すると逆に症状が長引いてしまいます。

③予防

次のことに気をつけてください。

カンピロバクターは乾燥に非常に弱いので、調理器具などはしっかりと乾燥させましょう。
生肉は他の食品に触れないようにしましょう。
生肉に触った後は必ず手を洗いましょう。
肉は加熱調理して食べましょう。

3.病原性大腸菌

大腸菌は基本的には無害ですが、なかには人間に対して病原性を持つものがあり、これを病原性大腸菌と呼びます。ただし、赤痢を起こす病原性大腸菌だけは赤痢菌と呼ばれ区別されています。

病原性大腸菌の中でもO157、O111などの腸管出血性大腸菌はベロ毒素を出すので重症化します。合併症の中で大事なのは溶血性尿毒症症候群です。命に関わる病気なので要注意です。ここでは腸管出血性大腸菌についてみていきます。

①症状

5日前後の潜伏期間を経て発症します。突然の腹痛、下痢が特徴です。

発熱は37℃台で、ほとんどの場合高熱にはなりません。

腹痛は非常に激しく、水様便を頻回に繰り返したあとに、約90%の症例で血便を呈するようになります。血便は初めは少量ですが、徐々に増加し、典型的なものではほぼ血液が出るような状態になります。

発症後数日から2週間以内に溶血性尿毒症症候群や脳炎などの重篤な合併症を引き起こすことがあるので十分に気を付けてください。

②治療

基本的には対症療法を行います。溶血性尿毒症症候群という怖い合併症を誘発する危険があるため、抗生剤の投与は推奨されていません。

下痢止めは使用しません。下痢は体の防御反応の一つで毒素を体外へ排出する手段なので、下痢止めを使用すると逆に症状が長引いてしまいます。

重症化すると命に関わるので、突然の腹痛と下痢が起こり、血便が多量に出るときはできるだけ早く病院に行きましょう。

③予防

次のことに気をつけてください。

生鮮食品は新鮮なものを購入し、早めに食べましょう。
生肉や魚、卵に触った後は手を洗いましょう。
適切に加熱調理してから食べましょう。
調理前後の食品を室温で長く放置しないようにしましょう。

4.黄色ブドウ球菌

黄色ブドウ球菌は人間の皮膚や鼻腔内に常在している菌です。常在している場所では影響を与えませんが、食品中で増殖するときにエンテロトキシンという毒素を生じるため食中毒を起こすことがあります。

不衛生な状態で加工されたおにぎりによるものが最も多く、仕出し弁当やケーキなどが原因になることもあります。

①症状

3時間前後の潜伏期間を経て発症します。

激しい嘔気・嘔吐や差し込むような腹痛、下痢が主な症状です。

エンテロトキシンの量によって症状の重症度が変わってきます。重症例では入院が必要になりますが、一般に予後は良好です。

②治療

エンテロトキシンに対する特効薬はないので、基本的には対症療法を行います。

下痢止めは使用しません。下痢は体の防御反応の一つで毒素を体外へ排出する手段なので、下痢止めを使用すると逆に症状が長引いてしまいます。

③予防

食品の冷蔵保存、調理前後の手洗いが大切です。調理前後の食品を室温で長く放置しないようにしましょう。

手指に傷や化膿している部位がある人は、絶対に素手で食品を扱ってはいけません。

5.腸炎ビブリオ

腸炎ビブリオはビブリオ属に属す好塩性グラム陰性桿菌で、主に海水中に存在しています。腸炎ビブリオは溶血毒という毒素を作り出すため食中毒の原因になります。溶血毒には耐熱性溶血毒と耐熱性毒素関連溶血毒があります。

腸炎ビブリオに感染した魚介類を加熱せずに食べることで感染し発症します。感染部位は小腸がメインです。

①症状

腸炎ビブリオは6~12時間の潜伏期間を経て発症します。

激しい腹痛を伴う下痢が生じ、ときに血便を呈します。

通常は数日で回復しますが、免疫不全の方などでは重症化するので注意が必要です。

②治療

腸炎ビブリオは基本的には数日で自然に治癒するので、対症療法を行います。

なお、抗生剤を使う場合はニューキノロン系やホスホマイシンを使います。

下痢止めは使用しません。下痢は体の防御反応の一つで毒素を体外へ排出する手段なので、下痢止めを使用すると逆に症状が長引いてしまいます。

③予防

魚介類の冷蔵保存と、調理前後の手洗いが大切です。

十分な加熱により腸炎ビブリオは死滅します。適切に加熱調理してから食べましょう。

生食する場合は新鮮な魚介類を購入し、冷蔵保存して速やかに食べましょう。

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急性虫垂炎

急性虫垂炎は一般には「盲腸」と呼ばれています。特に小中学生に多い病気です。乳児期では非常にまれですが、幼児期以降はしばしばみられます。

1.原因

虫垂は大腸にぶら下がっているひものような構造をしているので、便や異物が入り込んでしまうことがあります。そして、運悪く虫垂の入り口が詰まって閉塞し、細菌感染が起きた場合に急性虫垂炎を発症します。

2.症状

虫垂炎では発熱、嘔気、腹痛がみられます。

まずは気持ち悪さと吐き気で始まり、みぞおちに何となく痛みを感じます。これは虫垂に便や異物が詰まり、虫垂の内圧が上昇することによって生じる内臓痛といわれています。下痢や排尿障害が生じることもあります。

進行してくると持続性のある激烈な痛みに変わります。痛みは徐々にお腹の右下に集中してきます。

さらに進行すると虫垂に穴が開き、便や異物が腸の周りに出てしまい腹膜炎を併発します。腹膜炎になると命に関わることもあるので、早期に発見し治療を開始することが大切です。

虫垂炎には特徴的な所見があり、医師が必ず診るポイントの一つです。

マックバーニー圧痛点:マックバーニー医師が見つけたことからこの名前が付きました。

場所はおへそと右上前腸骨棘(腰の横にある出っ張った骨)を結んで、おへそから3分の2のところです。ここが虫垂のある位置です。虫垂炎ではこの部分に痛みや圧痛がみられます。

また、このマックバーニー圧痛点を手で軽く押したときに、押したときよりも離したときに痛みが強くなる場合は、腹膜炎を起こしていることが強く疑われます。

3.治療

虫垂は、以前は生理機能を持たない無用の長物とされ、お腹の手術の際には虫垂炎の予防目的に異常がなくても切除されていました。しかし最近では、虫垂はリンパ機能を持ち、腸の免疫の一部を担っているのではないかという説が有力で、虫垂炎になった場合でもなるべく切除せず温存する方針になっています。ただし、虫垂を切除しなければならない場合も多くあります。

・保存的治療

血液検査で炎症所見がそれほど強くない場合(発症早期のもの)は抗生剤投与と絶食による保存的治療が行われます。いわゆる「薬で散らす」という治療です。

・虫垂切除術

虫垂はなるべく温存したいものの、状態によってはそうもいきません。虫垂炎が進行している場合や腹膜炎を併発している場合には虫垂切除術が行われます。その他、虫垂に糞石がある場合や、進行が急速といわれる小児の場合、診断が難しい妊婦の場合なども手術の適応になることが多いでしょう。

また病状によっては先に抗生剤治療を行い、その後に手術を行うこともあります。

腹膜炎は命に関わる疾患です。盲腸を侮ってはいけません。腹痛が持続する場合は早めに内科を受診してください。

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急性胆嚢炎

胆嚢に生じる急性の炎症性疾患であり、主に胆石を持つ方に突然生じる病気です。胆石とはコレステロールなどが原因でできる、石のように硬い物質です。胆嚢管(胆嚢の出口)が胆石で閉塞し、炎症が生じることで発症します。

1.原因

炎症の原因として以下の3つが考えられています。

細菌性炎症(大腸菌やブドウ球菌など)
胆嚢内圧が上昇し、胆嚢粘膜の虚血などで生じる機械的炎症
胆嚢に生じる局所組織因子で引き起こされる化学的炎症

また、肥満や脂質異常症がリスク因子になるといわれています。

2.症状

食後や夜間にみぞおちからお腹の右上(右季肋部)の痛みが生じるというのが典型的な症状です。発熱、寒気、嘔吐とともに痛みが生じます。右季肋部の肋骨を押しながら深呼吸や咳をしたときに痛みが強くなるようであれば急性胆嚢炎の可能性が高いので、すぐに内科を受診しましょう。これはMurphy(マーフィー)徴候と呼ばれる、特徴的な所見です。

3.治療

まずは絶食と、抗生剤を含む点滴などで保存的に治療します。75%程度の患者さんがこの保存的治療で軽快しますが、なかなか改善しない場合には経皮経肝胆嚢ドレナージ、穿孔の危険がある場合には緊急に胆嚢摘出術が行われます。

放置すると命に関わることもあるので、発熱と右季肋部痛がある場合は、すぐに内科を受診してください。

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片頭痛

片頭痛は発作性に頭痛を繰り返す疾患で、10代や20代の若い時期から起こります。成人では男性よりも女性に多くみられます。

命に関わるような病気ではありませんが、日常生活への影響は大きいとされています。

1.原因

片頭痛の起こるメカニズムには諸説あり、完全には解明されていません。

疲労やストレス、睡眠不足、睡眠過多などが誘因になります。女性では月経とも関連しています。

2.症状

名前の通り片側性でズキズキと脈打つような拍動性の頭痛が典型的ですが、両側性や非拍動性の場合も多くあります。こめかみの周辺の痛みが強く出ることが多いようです。頭痛の持続時間は4~72時間といわれています。

嘔吐や吐き気がみられたり、光や音に敏感になったりすることもあります。

片頭痛では、閃輝暗点と呼ばれる前兆現象が起こることがあります。閃輝暗点ではジグザグ様の光が視野の中心から周囲に広がるように見え、数分から数十分続きます。これは脳の血管が一時的にけいれんすることが原因です。

3.治療

片頭痛の治療には頭痛発作の症状を和らげる急性期治療と、頭痛発作を予防する予防的治療があります。

急性期治療では鎮痛剤として、軽度の頭痛発作には非ステロイド系抗炎症薬(NSAIDs)、中等度から重症の発作にはトリプタン製剤を用いることが多くなっています。また片頭痛に悪心、嘔吐を伴う際には制吐薬も併用されます。

発作の頻度が高い場合、もしくは既往や副作用により鎮痛剤が使えない場合には予防的治療も行われます。予防薬には抗てんかん薬や抗うつ薬などがあります。

まずは早めに内科を受診しましょう。

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髄膜炎

人間の脳と脊髄を覆う膜を髄膜といいます。髄膜は3層から成り、体の外側から順に硬膜、くも膜、軟膜で構成されています。この髄膜に炎症が起きた状態を髄膜炎といいます。

髄膜炎は早期発見、早期治療が重要なので、その症状を頭に入れておきましょう。

髄膜炎は原因により細菌性髄膜炎と無菌性髄膜炎に大きく分けられます。

それぞれを詳しく見ていきましょう。

1.細菌性髄膜炎

救急疾患であり、初期治療が非常に重要になります。早期発見できれば重篤な状態にならない可能性が高まります。

①原因

細菌感染が原因で起こります。インフルエンザ菌、大腸菌、肺炎球菌、ぶどう球菌、B群レンサ球菌、髄膜炎菌、リステリア菌などが代表的な原因菌です。

最近はワクチンの接種により、インフルエンザ菌や肺炎球菌による髄膜炎が大幅に減少しています。

生後1ヶ月未満:B群レンサ球菌、大腸菌が多い

生後1ヶ月から3ヶ月:B群レンサ球菌が多い

生後4ヶ月から5歳:インフルエンザ菌、肺炎球菌、髄膜炎菌、リステリア菌が多い

6歳から18歳:ほとんどが肺炎球菌だが、インフルエンザ菌も少なくない

成人:肺炎球菌、髄膜炎菌が多い

高齢者(50歳以上):肺炎球菌、髄膜炎菌、グループB溶連菌、リステリア、グラム陰性桿菌が多い

②症状

細菌性髄膜炎の典型的な3徴は発熱、項部硬直、意識障害です。これに頭痛を加えて4徴と呼ぶこともあります。成人では50%前後で3徴を認め、また非常に高い確率で4徴のうち2つの症状を呈するといわれています。そのため、3徴や4徴がそろっていなくても、2つ以上の症状がある場合には細菌性髄膜炎を積極的に疑う必要があります。特に免疫機能が低下している場合にはなおさらです。

上記の症状以外では、けいれんや嘔吐、脳神経麻痺、聴覚障害、皮疹なども起こることがあります。

③治療

細菌性髄膜炎では、基本的に入院の上で抗生剤治療を行います。さらに最近ではステロイド投与に神経障害の予防的効果があるといわれています。

発症から治療開始までの時間が非常に重要で、予後にかなりの影響を与えることが知られています。発熱と激しい頭痛が見られた場合にはすぐに内科を受診しましょう。場合によっては大学病院などの専門機関に紹介になります。

2.無菌性髄膜炎

無菌性髄膜炎は、名前の通り髄液を培養しても細菌や真菌が検出されないものを指し、そのほとんどがウイルス性と考えられています。

①原因

無菌性髄膜炎の原因のほとんどはウイルスです。まれに医薬品やワクチンで起こることがあります。

頻度の高い薬品は解熱鎮痛剤として使用される非ステロイド性抗炎症薬です。一般薬として町のドラッグストアで買えるものもあるので、服用歴を聞き出すことが重要です。

②症状

高熱、頭痛、嘔気・嘔吐の3徴候がみられます。項部硬直などの髄膜刺激症状も認め、意識障害を呈することもあります。

また、皮疹、結膜炎、腹痛、リンパ節腫脹などが起こることもあります。

③治療

無菌性髄膜炎を疑った場合は、可能性のある薬剤の内服をやめさせる必要があります。

ウイルス感染の場合、ヘルペスウイルスなどを除き、ほとんどは効果的な薬はありません。対症療法を行いますが、ステロイドの投与が必要になることもあります。

早期発見、早期治療が大切です。急な発熱、頭痛がみられた場合にはなるべく早く内科を受診しましょう。場合によっては大学病院などの専門機関に紹介になります。

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くも膜下出血

脳表面は外側から順に硬膜、くも膜、軟膜で覆われており、くも膜と軟膜の間に出血が起こることをくも膜下出血と呼びます。動脈瘤の破裂により生じ、激しい頭痛が特徴的です。死亡率、後遺症を残す確率の高い非常に恐ろしい病気で、社会復帰できるのは30%程度といわれています。

日本人に多く、好発年齢は50歳前後です。高齢になるほど女性の比率が高くなるとされています。

1.原因

くも膜下出血の原因は脳動脈瘤の破裂です。動脈の壁は3層構造をしていますが、このうち中膜と呼ばれる場所が先天的に脆弱なため、血圧などの影響で嚢状に膨らんだ動脈瘤ができ、それが破裂することで引き起こされるという説が有力です。動脈瘤は脳を流れる大きな動脈の分岐部にできやすいといわれています。

危険因子としては、喫煙、高血圧、過度の飲酒があげられます。

2.症状

基本的に動脈瘤があるだけでは症状はありません。

動脈瘤が破裂すると突然激しい頭痛が起こります。今まで経験したことがないほど強い頭痛、バットで殴られたような強烈な痛み、などと表現されることがあります。

出血した大量の血液が脊髄に流れ込むので、頭蓋内圧が亢進し、嘔気や嘔吐が生じます。さらに、首を前屈させたときに痛みが非常に強くなるという髄膜刺激症状が出ますが、この症状は比較的時間が経過してから出現するようです。ただし、重症例ではすぐに昏睡や死亡状態になることがあります。

くも膜下出血の中には本格的な破裂の前に少しだけ出血する、いわゆる警告出血を起こすものもありますが、この場合も強い頭痛が起こります。

また破裂した場所によっては、周囲の脳神経に影響を与えることがあります。内頚動脈‐後交通動脈分岐部で起こったときは動眼神経麻痺(眼瞼下垂、眼球運動障害、散瞳)が起こります。

3.治療

破裂動脈瘤を放置すると、高率に再出血をきたし脳に致命的な障害を与えるので、再破裂の防止が必要です。

頭痛が強いと血圧が上昇して再破裂の誘因となることから、初期対応として鎮静と鎮痛をしっかり行います。また同時に血圧の管理も持続点滴(Ca拮抗薬)で行います。

脳動脈瘤に対して、開頭クリッピング手術やコーティング手術、血管内治療(動脈瘤コイル閉塞術)が行われることもあります。

また、くも膜下腔に広がった血液が数日経過して血管収縮物質に変化し主幹部動脈を狭窄させる現象を血管攣縮と呼びますが、これの防止を目的に攣縮予防薬を投与します。

ただし、初回出血の約半数は死亡もしくは治療が困難なほど重篤化します。

激しい頭痛が起きたときにはすぐに脳神経外科や内科を受診して下さい。命に関わる病気なので、早期発見、早期治療が非常に重要です。

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脳出血

出血部位としては被殻/視床が最も多く、次いで脳幹、大脳皮質下、小脳の順に多くみられます。平均発症年齢は60歳代です。昔と比べると低下したものの、死亡率、後遺症を残す確率の高い怖い病気です。

出血部位や出血の程度によってさまざまな症状がみられます。血腫が大きくなると、頭蓋内圧が亢進して頭痛や嘔吐を起こすことがあります。

1.原因

原因の約8割は高血圧症であるいわれています。その他、脳血管病変や血液凝固異常(抗血小板薬や抗凝固薬の使用も含む)が原因になります。

また、糖尿病や喫煙歴などがリスク因子です。

2.症状

発症は突然で、片麻痺などの神経症状が起きます。その他、見当識障害や言語障害などが起こりますが、出血部位により症状は異なり、小脳出血ではめまいやふらつきだけのこともあります。また、血腫が小さい場合には無症状のこともあります。

血腫が大きい場合は水頭症や脳ヘルニアが起きて、頭痛や嘔吐、意識障害をきたすことがあります。ただし脳腫瘍や脳膿瘍など、他の頭蓋内占拠性病変でも同様の症状が起こりえます。

3.治療

診断は頭部CTで行い、治療は通常、脳神経外科で行います。

急性期治療では、収縮期血圧140mmHg未満を目標にコントロールします。頭蓋内圧亢進症状がある場合は、出血周囲の浮腫改善のために高張液グリセオールの点滴を行います。

出血部位や程度、症状によっては外科手術が適応になることもあります。

早期からのリハビリテーションも重要です。

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緑内障発作

緑内障発作は失明につながる非常に恐ろしい病気です。中年以降、特に高齢の女性に多くみられます。

緑内障発作では急激な眼圧上昇によりさまざまな症状が起こります。眼圧の高い状態が続くと視神経に障害が起こるため、できるだけ早く治療する必要があります。

1.原因

相対的瞳孔ブロックとプラトー虹彩が病態として知られています。ほとんどは相対的瞳孔ブロックによるもので、主な機序は以下の通りです。

相対的瞳孔ブロックとは、水晶体前面と虹彩裏面との間で房水の流れがブロックされることをいいます。瞳孔ブロックが起こると、後房圧の上昇により虹彩が膨隆し房水の出口である線維柱帯を塞いでしまうため、急激な眼圧上昇が起こります。

2.症状

緑内障発作では充血や目のかすみ、目の痛みだけでなく、眼圧上昇により頭痛や吐き気などの症状も起こります。

眼圧の高い状態が続くと、視神経が障害されて視野欠損を生じ、さらに進行すると失明に至ります。この視神経の障害は一度生じると二度と治らないので、できるだけ早く治療することが大切です。

3.治療

救急疾患なので休日や夜中であっても、大学病院など救急外来をやっている眼科を探して受診してください。早期に適切な治療を行わないと視神経に不可逆的なダメージを与えてしまいます。

治療は原因となっている瞳孔ブロックを解除し、眼圧を正常に戻すことです。まずは点眼や点滴で治療しますが、レーザー治療や手術が必要になることもあります。

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