急な発熱の原因は?考えられる病気とは|どこでもドクター

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みなさん、急に熱が出て寒気がした経験はないでしょうか?

外出中や仕事中などの場合、しばらく様子を見てよいのか、それともすぐに病院に行くべきか、判断に迷うことがあると思います。

ここでは内科外来でよく遭遇する病気を中心に見ていきましょう。緊急で処置を行わなければ命に関わる病気も含まれています。

かぜ症候群

いわゆる「かぜ」、「風邪」とは急性上気道炎の総称で、いつでもかかる可能性のある病気です。ほとんどが何らかのウイルスによるもので、鼻やのどの症状がメインです。

炎症により、発熱やのどの痛み、倦怠感などの症状が引き起こされます。

基本的には自分自身の免疫で自然に治っていきますが、なかには肺炎に進行してしまうような場合もあるので注意が必要です。

1.原因

大部分はウイルス感染によるもので、なかでも一番多いのはライノウイルスです。そのほかたくさんのウイルス、細菌が原因になります。

2.感染経路

かぜ症候群の主な感染経路は、飛沫感染と接触感染です。かぜをひいた際は、人にうつさないようにマスクの着用、手洗いを心がけましょう。

飛沫感染:くしゃみや咳によって口から飛び出す飛沫にはウイルスが混入しています。このウイルス付きの飛沫が他人の口や鼻の粘膜に到達することで感染が成立します。

接触感染:感染者との直接的な接触や、ウイルスの付着した物(手すりやドアノブ、ボタン・スイッチなど)を介しての接触により感染が起こります。

3.症状

比較的ゆっくりと発症し、のどや鼻を中心に症状が出ます。鼻水や鼻づまり、のどの痛み、くしゃみ、咳、発熱などが主な症状です。だいたい1週間程度で回復期に入り、治癒していきます。

咳やのどの痛み、発熱が長期間続く場合には二次感染や合併症を考えないといけません。おかしいと思ったら、早めに耳鼻科や内科を受診しましょう。

4.治療

かぜ症候群の原因の多くはウイルスなので、特効薬がありません。基本的には自分自身の免疫で自然に治っていきます。細菌感染が合併している場合には抗生剤が有効ですが、ウイルス感染だけであれば抗生剤は不要です。出てきた症状を抑える対症療法が中心になります。

5.かぜをひいたら

自宅では水分をしっかり摂取しましょう。水分が取れないときは早めに内科を受診してください。
睡眠を十分に取り、栄養のあるものを食べましょう。食欲がない場合は消化の良いものにしましょう。
食欲があり水分が摂取できる場合は、湯冷めに気をつければ入浴は可能です。
家族ともども、手洗いをきちんとしましょう。咳やくしゃみが出る場合はマスクをしてください。

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インフルエンザ

インフルエンザという病気は、昔は「かぜ」の一つとして扱われていましたが、最近では「かぜ」とは一線を画す疾患として治療されています。「かぜ」というのはいろいろなウイルスが原因で起こる急性上気道炎の総称ですが、インフルエンザはインフルエンザウイルスが起こす疾患です。

インフルエンザには季節性があり、日本では例年12月から3月に流行します。たまに単発的に夏期に流行することもあります。

1.インフルエンザウイルスの分類

A香港型やAソ連型という言葉を聞いたことがある人は多いのではないでしょうか?

インフルエンザの原因であるインフルエンザウイルスはA型、B型、C型に大きく分類されます。日本で流行する危険が高いのはA型とB型です。

流行しやすいインフルエンザウイルスA型には、A(H1N1)亜型やA(H3N2)亜型(これは香港型と呼ばれます)があります。2009年に新型インフルエンザが発生しましたが、これはA(H1N1)亜型と同じものでした。大規模に流行したのは人々が免疫を全く持っていなかったためです。免疫を持ってないインフルエンザウイルスの型だったので「新型インフルエンザ」と呼ばれました。

新型インフルエンザと呼ばれたA(H1N1)亜型も、現在では通常のインフルエンザとして扱われるようになってきています。

2.感染経路

インフルエンザの主な感染経路は、飛沫感染と接触感染です。

飛沫感染:くしゃみや咳によって口から飛び出す飛沫にはウイルスが混入しています。このウイルス付きの飛沫が他人の口や鼻の粘膜に到達することで感染が成立します。

接触感染:感染者との直接的な接触や、ウイルスの付着した物(手すりやドアノブ、ボタン・スイッチなど)を介しての接触により感染が起こります。

3.症状

インフルエンザは1~3日の潜伏期間(体内でインフルエンザウイルスが増殖して力を蓄えている時期)を経て発症します。寒気を伴う38℃以上の発熱、全身倦怠感、頭痛、関節痛、筋肉痛が急激に起こります。 鼻炎、のどの痛み、咳などの呼吸器症状だけでなく、下痢や嘔気・嘔吐などの消化器症状を起こすこともあります。体力の衰えた高齢者では肺炎を合併し重篤化することがあるので注意が必要です。

また小さなお子さんの場合は、脳炎を発症し命に関わることもある恐ろしい病気です。

4.検査

1999年にインフルエンザウイルスの抗原迅速検査キットが登場しました。鼻の奥に専用の綿棒をこすりつけて検体を採取します。少し痛い検査です。

この検査キットの特異度は90%以上ですが、感度は60%程度といわれています。

つまり、検査で陽性の場合はインフルエンザと考えて構いませんが、陰性だった場合でもインフルエンザではないとは言い切れません。また、発症直後や発症して数日経過した後では陰性に出てしまう可能性があるので注意が必要です。

5.治療

インフルエンザの特効薬が次々と登場してきています。抗インフルエンザ薬を発症してから48時間以内に服用開始した場合、発熱期間が1~2日ほど短縮され、のどや鼻からのインフルエンザウイルス排出が減少します。48時間を過ぎてからでは効果は期待できなくなります。

寒気を伴う発熱、頭痛、関節痛が出たら早めに内科を受診しましょう。

なお、抗インフルエンザ薬との関連性は分かっていませんが、10代のインフルエンザ患者で異常行動が報告されているので注意しましょう。

6.予防

インフルエンザ予防としては以下のことが大切です。

①インフルエンザワクチン接種

流行前の10月から11月末に接種することが大切です。

インフルエンザワクチンのメリットは、インフルエンザに感染するリスクを軽減できること、そしてもし感染してしまった場合にも重症化する可能性が減ることです。特に重症化することの多い小児と高齢者に関しては予防接種が勧められています。

②こまめに手洗いをする

これはインフルエンザに限らず、たくさんの病気の予防に重要です。

インフルエンザウイルスにはアルコール消毒が有効なので、外出先ではお勧めです。

③うがいをしっかりする

市販のもので構わないので、うがい用消毒薬を使うとより効果的です。

④部屋の乾燥は要注意

湿度が低く乾燥しているとインフルエンザウイルスが拡散しやすくなります。冬に流行するのはこのためです。部屋の中は適切な湿度を保ちましょう。

⑤十分な睡眠、休養をとる

体力が落ちるとインフルエンザに限らず、さまざまな病気にかかるリスクが高くなります。

⑥インフルエンザ流行時には繁華街などの人混みを避け、マスクを着用する

インフルエンザウイルスは咳やくしゃみによって飛沫感染するので、マスクをしっかりと着用しましょう。もちろん、帰宅後の手洗いとうがいは必須です。

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急性副鼻腔炎

副鼻腔は鼻腔の周りにある4対の空間で、上顎洞・篩骨洞・前頭洞・蝶形骨洞から成り立っています。副鼻腔で作られた粘液は、線毛により副鼻腔自然口を通って鼻腔内に流れ込みます。この副鼻腔に炎症が起きた状態を副鼻腔炎といいます。副鼻腔炎は上顎洞、篩骨洞、前頭洞、蝶形骨洞の順番で起こりやすいといわれています。

副鼻腔炎は炎症の期間により急性副鼻腔炎と慢性副鼻腔炎に分類されます。

急性副鼻腔炎は臨床経過が1か月以内の副鼻腔炎です。

1.原因

感染性のもの、感染性でないものに分けられます。

感染性:細菌やウイルスが主体です。免疫不全の方などでは真菌感染もみられます。

ウイルス性上気道炎が広がって副鼻腔炎が起こることが多く、原因ウイルスはライノウイルスやパラインフルエンザウイルスなどのいわゆる「かぜ」を引き起こすウイルスです。

細菌では肺炎球菌やインフルエンザ菌によるものが多いといわれています。

感染性でないもの:アレルギー性鼻炎で生じる粘膜浮腫やポリープ、腫瘍性病変、嚢胞性線維症など、粘液の性状が変わる病気で引き起こされます。

2.症状

一般的な症状は鼻汁、鼻づまり、頭痛、頬部痛(ほほの痛み)、目の下や頬を押すと痛む頬部圧迫痛です。炎症が起こっている副鼻腔に限局して、痛みや圧迫感が生じます。しゃがんだ時に痛みが増強することもあります。

副鼻腔の炎症が重症化するとさまざまな合併症を生じて難治性になります。

3.治療

基本的にほとんどの急性副鼻腔炎は抗生剤なしに軽快します。鼻腔の洗浄など、副鼻腔から膿や分泌物の排出を促す治療が優先されます。ただし、重症例や1週間以上症状が続く場合には抗生剤による治療が積極的に行われます。

鼻水、鼻づまりに頭痛などが伴う場合は、早めに耳鼻科や内科を受診しましょう。

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急性扁桃炎

扁桃は、のどにあるリンパ組織の集合体です。一般的には扁桃腺と呼ばれていますが、実際は分泌腺ではないため医学的には扁桃と呼んでいます。扁桃は免疫機能を持っていることが分かっています。

扁桃の中でも口蓋扁桃と呼ばれる場所に病原体による炎症が起こったものを急性扁桃炎といいます。

1.原因

急性扁桃炎を起こすのは、レンサ球菌やインフルエンザ菌、アデノウイルス、EBウイルスなどです。レンサ球菌やインフルエンザ菌は普段から口の中に常在しています。

注意すべきは、溶連菌(A群β溶血性連鎖球菌)によるものです。Centorの基準(38度以上の発熱、首のリンパ節を押すと痛い、扁桃に白い膿が付いている、咳が出ない)を満たす場合は、溶連菌が原因の可能性が高くなります。溶連菌の場合は10日間程度の抗生剤治療が必要です。

2.症状

高熱で発症し、のどの激痛を伴います。鼻づまりの症状を訴えることもあります。

かぜを伴っていなければ、鼻水は通常みられません。

3.治療

基本的には安静にして、レンサ球菌などの細菌感染によるものであれば抗生剤の内服を行います。うがい薬によるうがいも行われています。

アデノウイルスなどのウイルス感染では抗生剤は無効で特異的な治療はありません。

周囲に炎症が拡がり扁桃周囲膿瘍と呼ばれる状態になってしまうこともあるので、高熱とのどの痛みが生じた場合はすぐに耳鼻科を受診しましょう。

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扁桃周囲炎(扁桃周囲膿瘍)

扁桃は、のどにあるリンパ組織の集合体です。一般的には扁桃腺と呼ばれていますが、実際は分泌腺ではないため医学的には扁桃と呼んでいます。扁桃は免疫機能を持っていることが分かっています。

扁桃の中でも口蓋扁桃と呼ばれる場所に細菌感染による炎症が起こったものを急性扁桃炎といいます。この扁桃の炎症がさらに周囲に拡がった状態が扁桃周囲炎です。さらに進行すると膿瘍を形成し扁桃周囲膿瘍と呼ばれる状態になります。

治療が遅れると重症化してしまうので、早期に治療することが大切です。

1.原因

扁桃周囲炎、扁桃周囲膿瘍の原因で多くみられるのは溶連菌と嫌気性菌です。

①溶連菌(A群β溶血性連鎖球菌)

溶連菌は正式にはA群β溶血性連鎖球菌といいます。連鎖球菌の分類でA群に属し、また血液寒天培地で培養したときにβ溶血性を示すことからこの名前が付きました。通常は溶連菌と呼ばれます。

②嫌気性菌

嫌気性菌は酸素のないところでも増殖できる能力を持った細菌です。

酸素のない場所でしか生きていけない偏性嫌気性菌と、酸素があっても増殖できる通性嫌気性菌に分けられます。

2.症状

特徴的な症状は非常に強いのどの痛みで、口を開けることが困難になります。高熱を伴います。

経験したことがある方は分かると思いますが、自分の唾液を飲み込むことすらできない程の激烈な痛みです。痛みにより水分が摂取できなくなるので、脱水を起こさないように注意が必要です。

感染が広がると耳が痛くなったり、のどの周りに痛みが広がったりします。

3.治療

抗生剤の投与を行いますが、扁桃周囲膿瘍では穿刺排膿や、切開排膿といった処置も行います。炎症や膿瘍がひどい場合、のどの痛みが激しく水分が摂取できない場合などは入院治療が必要です。

高熱と強いのどの痛みが生じた場合はすぐに耳鼻科を受診しましょう。場合によっては大学病院などの専門機関に紹介になります。

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髄膜炎

人間の脳と脊髄を覆う膜を髄膜といいます。髄膜は3層から成り、体の外側から順に硬膜、くも膜、軟膜で構成されています。この髄膜に炎症が起きた状態を髄膜炎といいます。

髄膜炎は早期発見、早期治療が重要なので、その症状を頭に入れておきましょう。

髄膜炎は原因により細菌性髄膜炎と無菌性髄膜炎に大きく分けられます。

それぞれを詳しく見ていきましょう。

1.細菌性髄膜炎

救急疾患であり、初期治療が非常に重要になります。早期発見できれば重篤な状態にならない可能性が高まります。

①原因

細菌感染が原因で起こります。インフルエンザ菌、大腸菌、肺炎球菌、ぶどう球菌、B群レンサ球菌、髄膜炎菌、リステリア菌などが代表的な原因菌です。

最近はワクチンの接種により、インフルエンザ菌や肺炎球菌による髄膜炎が大幅に減少しています。

生後1ヶ月未満:B群レンサ球菌、大腸菌が多い

生後1ヶ月から3ヶ月:B群レンサ球菌が多い

生後4ヶ月から5歳:インフルエンザ菌、肺炎球菌、髄膜炎菌、リステリア菌が多い

6歳から18歳:ほとんどが肺炎球菌だが、インフルエンザ菌も少なくない

成人:肺炎球菌、髄膜炎菌が多い

高齢者(50歳以上):肺炎球菌、髄膜炎菌、グループB溶連菌、リステリア、グラム陰性桿菌が多い

②症状

細菌性髄膜炎の典型的な3徴は発熱、項部硬直、意識障害です。これに頭痛を加えて4徴と呼ぶこともあります。成人では50%前後で3徴を認め、また非常に高い確率で4徴のうち2つの症状を呈するといわれています。そのため、3徴や4徴がそろっていなくても、2つ以上の症状がある場合には細菌性髄膜炎を積極的に疑う必要があります。特に免疫機能が低下している場合にはなおさらです。

上記の症状以外では、けいれんや嘔吐、脳神経麻痺、聴覚障害、皮疹なども起こることがあります。

③治療

細菌性髄膜炎では、基本的に入院の上で抗生剤治療を行います。さらに最近ではステロイド投与に神経障害の予防的効果があるといわれています。

発症から治療開始までの時間が非常に重要で、予後にかなりの影響を与えることが知られています。発熱と激しい頭痛が見られた場合にはすぐに内科を受診しましょう。場合によっては大学病院などの専門機関に紹介になります。

2.無菌性髄膜炎

無菌性髄膜炎は、名前の通り髄液を培養しても細菌や真菌が検出されないものを指し、そのほとんどがウイルス性と考えられています。

①原因

無菌性髄膜炎の原因のほとんどはウイルスです。まれに医薬品やワクチンで起こることがあります。

頻度の高い薬品は解熱鎮痛剤として使用される非ステロイド性抗炎症薬です。一般薬として町のドラッグストアで買えるものもあるので、服用歴を聞き出すことが重要です。

②症状

高熱、頭痛、嘔気・嘔吐の3徴候がみられます。項部硬直などの髄膜刺激症状も認め、意識障害を呈することもあります。

また、皮疹、結膜炎、腹痛、リンパ節腫脹などが起こることもあります。

③治療

無菌性髄膜炎を疑った場合は、可能性のある薬剤の内服をやめさせる必要があります。

ウイルス感染の場合、ヘルペスウイルスなどを除き、ほとんどは効果的な薬はありません。対症療法を行いますが、ステロイドの投与が必要になることもあります。

早期発見、早期治療が大切です。急な発熱、頭痛がみられた場合にはなるべく早く内科を受診しましょう。場合によっては大学病院などの専門機関に紹介になります。

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肺炎(感染性)

何らかの原因により肺に炎症が起きている状態を肺炎といいます。

肺炎には微生物が原因の感染性のものと、薬剤やアレルギーなどが原因の非感染性ものがあります。ここでは感染性の肺炎についてみていきましょう。

1.原因

原因となる微生物は細菌、ウイルス、真菌など多彩です。

内科外来で遭遇する肺炎の原因で一番多いのは肺炎球菌で、そのほかインフルエンザ桿菌、モラキセラ・カタラーリス、マイコプラズマ、レジオネラ、クラミジアなどによるものがみられます。黄色ブドウ球菌、クレブシエラ、インフルエンザウイルス、アデノウイルスなどが原因になることもあります。

2003年には新種のコロナウイルスによって重症急性呼吸器症候群(いわゆるSARS)が流行しました。

2.症状

発熱、寒気などの全身症状と咳(痰を伴うことがある)、深呼吸や咳をしたときの胸痛(肺の表面に炎症が及んだ場合の胸膜痛)が典型的な症状です。ときに悪心、嘔気、下痢、関節痛などもみられます。

高齢者の場合は、咳の症状がないこともあるので注意が必要です。

3.治療

基本的には抗生剤による治療が行われます。

上記の症状が出たときはできるだけ早く内科を受診してください。特に高齢者や免疫不全の方は重症化しやすいので、早期発見、早期治療が重要です。

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急性胆嚢炎

胆嚢に生じる急性の炎症性疾患であり、主に胆石を持つ方に突然生じる病気です。胆石とはコレステロールなどが原因でできる、石のように硬い物質です。胆嚢管(胆嚢の出口)が胆石で閉塞し、炎症が生じることで発症します。

1.原因

炎症の原因として以下の3つが考えられています。

細菌性炎症(大腸菌やブドウ球菌など)
胆嚢内圧が上昇し、胆嚢粘膜の虚血などで生じる機械的炎症
胆嚢に生じる局所組織因子で引き起こされる化学的炎症

また、肥満や脂質異常症がリスク因子になるといわれています。

2.症状

食後や夜間にみぞおちからお腹の右上(右季肋部)の痛みが生じるというのが典型的な症状です。発熱、寒気、嘔吐とともに痛みが生じます。右季肋部の肋骨を押しながら深呼吸や咳をしたときに痛みが強くなるようであれば急性胆嚢炎の可能性が高いので、すぐに内科を受診しましょう。これはMurphy(マーフィー)徴候と呼ばれる、特徴的な所見です。

3.治療

まずは絶食と、抗生剤を含む点滴などで保存的に治療します。75%程度の患者さんがこの保存的治療で軽快しますが、なかなか改善しない場合には経皮経肝胆嚢ドレナージ、穿孔の危険がある場合には緊急に胆嚢摘出術が行われます。

放置すると命に関わることもあるので、発熱と右季肋部痛がある場合は、すぐに内科を受診してください。

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急性胆管炎

急性胆管炎は胆管壁と胆管内腔に炎症が生じて起こります。

急性胆管炎の中でも胆管内腔に膿性胆汁を認める急性閉塞性化膿性胆管炎は、敗血症など非常に重篤な状態になりうる怖い病気です。

1.原因

胆嚢から十二指腸まで胆汁を運ぶ管を総胆管といいます。急性胆管炎は胆石が総胆管に落ちて総胆管が詰まってしまう総胆管結石症によって引き起こされることが多く、胆管内圧が上昇し、そこに細菌が感染することで発症するといわれています。

胆嚢の出口が詰まって起こる急性胆嚢炎と比べ、炎症が起こる範囲が広く重症化しやすい病気です。

2.症状

発熱、寒気、嘔吐とともに右季肋部と呼ばれるお腹の右上にある肋骨周囲に痛みが生じます。さらに全身が黄色くなる黄疸と呼ばれる特徴的な症状が出てきます。

これら発熱、右季肋部痛、黄疸の3つを合わせて、Charcot(シャルコー)3徴と呼び、医師が診断の目安にする特徴です。

症状が悪化すると意識障害やショックを引き起こすこともあるので注意が必要です。

3.治療

抗生剤の投与と緊急胆道ドレナージを行います。

ドレナージとは体の外に膿や血液などを出すことをいいます。胆道ドレナージには内視鏡を使用して行う方法と、皮膚を穿刺して行う方法の2通りがあります。通常は診断と治療の両方ができる内視鏡的経鼻胆管ドレナージが行われます。

発見が遅れると非常に重篤な状態になる可能性もあり、早期発見、早期治療が重要です。

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急性ウイルス性肝炎

急性ウイルス性肝炎はA型、B型、C型、D型、E型の5つの肝炎ウイルスや、EBウイルス、サイトメガロウイルスなどによって引き起こされる全身感染症です。

発熱、全身倦怠感など、かぜのような症状で発症し、腹部の鈍痛、黄疸などの症状が起こります。B型肝炎ウイルス、C型肝炎ウイルス、D型肝炎ウイルスは慢性化すると最終的に肝硬変、肝癌を引き起こします。

ここでは代表的なA型肝炎ウイルス、B型肝炎ウイルス、C型肝炎ウイルスについて見ていきましょう。

そのほか、肝炎ウイルスには輸血によって感染するG型がありますが、これは肝炎を発症しないといわれています。

1.A型肝炎

急性ウイルス性肝炎の約30%を占めています。A型肝炎ウイルスは腸管で増殖するので糞便中に多く、糞便による経口感染(糞口感染)で感染が拡大します。衛生環境が整っているため日本では感染機会は少ないですが、海外渡航時に口にするものから感染する可能性があります。

①原因

A型肝炎ウイルスと呼ばれるRNAウイルスが原因になります。

②症状

4週間前後の潜伏期間を経て、かぜのような症状で発症します。その後、腹痛や嘔気、嘔吐などの消化器症状が出てきます。黄疸が出始めるとそれまでの自覚症状が徐々に引いてくるのが特徴のようです。

③治療

自然軽快するので特別な治療は必要ありませんが、安静と食事療法が非常に大切です。安静により肝臓の血流を増加させ、高カロリーの食事で肝細胞の回復を助けます。

まれに劇症化することがあるので、早期発見・早期治療が重要です。

2.B型肝炎

急性ウイルス性肝炎の20%から30%を占めるとされています。

感染経路は血液感染、母子感染、性行為感染ですが、最近では性行為による感染が増加しています。また、不衛生な環境での入れ墨やピアスの穴あけ、覚せい剤の回し打ちなどで感染することもあるといわれています。

針刺し事故での感染を予防するため、医療従事者はB型肝炎ウイルスワクチンの接種を行います。

①原因

B型肝炎ウイルスと呼ばれるDNAウイルスが原因になります。

②症状

症状はA型肝炎とほぼ同じで、症状から両者を区別することはできません。

4週間前後の潜伏期間を経て、かぜのような症状で発症します。その後、腹痛などの症状が出てきます。ときに発疹や筋肉痛も生じます。そして徐々に全身に黄疸が出始めます。

③治療

安静と食事療法が非常に大切です。安静により肝臓の血流を増加させ、高カロリーの食事で肝細胞の回復を助けます。

重症例には核酸アナログ製剤を投与します。

まれに劇症化することがあるので、早期発見・早期治療が重要です。

注射針などによる感染事故を起こした場合は、ただちにHBs抗体含有のヒト免疫グロブリン注射を行い、同時にB型肝炎ワクチンの接種を行うことが大事です。

3.C型肝炎

急性ウイルス性肝炎の約10%を占めています。

C型肝炎は主に血液を介して感染します。長い経過で肝硬変から肝癌になり、命に関わることもあります。不衛生な環境での入れ墨やピアスの穴あけ、覚せい剤の回し打ちなどで感染することもあるといわれています。

これまでの治療で効果がなかった方にも効果が期待できる経口新薬が2015年に登場しました。

①原因

C型肝炎ウイルスと呼ばれるRNAウイルスが原因になります。日本ではインターフェロンが効きにくい1b型が多いといわれています。

②症状

2か月前後の潜伏期間を経て発症します。A型肝炎やB型肝炎のように自覚症状が出ることは少ないといわれており、黄疸を呈する症例も少ないようです。

新薬が出るまでは、約70%前後が慢性肝炎に移行していました。

③治療

今まではインターフェロンによる治療が主でしたが、日本ではインターフェロンの効き目が少ない1b型が多く、また副作用のためにインターフェロンを使えない方もいて、治療が不十分な方がたくさんいました。

しかし、2015年に発売された新薬により、上記の方でもC型肝炎ウイルスを排除できる可能性が高くなりました。

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急性腎盂腎炎

尿路感染症の一つで、男性よりも女性に多くみられます。多くの場合、膀胱から逆行性に感染が起こるといわれています。

進行すると敗血症を引き起こす可能性もある怖い病気です。また、慢性化すると腎臓の機能障害を起こすことがあるので注意が必要です。

1.原因

原因は細菌感染で、大腸菌などのグラム陰性桿菌がほとんどです。その他、クレブシエラ、プロテウスが原因でも起こり、大腸菌を含めて3大起因菌とされています。

大腸菌が多いのは、尿道と肛門の位置が近いためと考えられています。また、急性腎盂腎炎が女性に多いのはこのことと、男性よりも尿道が短いことが原因といわれています。

高齢者で前立腺肥大や前立腺癌、膀胱癌などがある場合は急性腎盂腎炎を起こしやすくなるので注意してください。

2.症状

典型的な症状は急激な悪寒と発熱、腰背部痛です。腰背部の痛みは叩くと強くなり、肋骨脊柱角叩打痛と呼ばれ、腎盂腎炎に特徴的な症状です。嘔気や排尿時痛、頻尿などがみられることもあります。

3.治療

基本的には抗生剤での治療を行います。

症状によっては入院が必要になる病気なので、早期に発見して治療することが重要です。

放置すると敗血症などを起こし命に関わる可能性があるので、発熱と排尿時痛、肋骨脊柱角の叩打痛などの症状がある場合は、できるだけ早く内科や泌尿器科を受診してください。

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急性前立腺炎

急性前立腺炎は、主に尿路からの逆行性感染により生じます。比較的若い男性に多いといわれています。

進行すると敗血症を起こすこともあるので注意が必要です。

1.原因

急性前立腺炎の原因菌で最も多いのは大腸菌です。

感染経路は、尿路からの逆行性感染の他に、精巣上体からの順行性感染・血行性感染、そして前立腺周辺部からの感染が考えられています。

また、不特定多数との性交渉は、淋菌やクラミジアによる前立腺炎のリスク因子になります。

2.症状

突然の高熱、寒気、体のだるさなど、全身症状が非常に強く出ます。頻尿や排尿時の痛み、会陰部の違和感などもみられます。

3.治療

急性前立腺炎の治療は抗生剤による保存的治療が行われます。

放置すると敗血症などを起こし命に関わることがあるので、早期発見・早期治療が大切です。発熱に頻尿や排尿時の痛みを伴う場合は、できるだけ早く内科や泌尿器科を受診してください。

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